初役・揚巻。
2018/10/13 土曜日 - 10:51:53 by nimo今月の歌舞伎座は『芸術祭十月大歌舞伎』。
十八世中村勘三郎さんの七回忌追善公演です。
そして昨日、夜の部を観てきました。
大河ドラマの撮影で、長い間歌舞伎の舞台から離れていた勘九郎さん。
今月はお父さんの追善公演だからね、もちろん出演されてますよ
ただ…。
大河の役作りのせいなんだろうけど、めちゃめちゃ痩せててちょっと
ビックリ!!
体は薄っぺら&手足は細く頬骨が飛び出てて、お顔も小さくなった
ような気が…。
「早く撮影が終わって本業の歌舞伎に専念出来るといいのになぁ〜 」
と、正直思ったかも。
夜の部で七之助様♡は『助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)』に
登場
片岡仁左衛門さん演じる助六の恋人・吉原の花魁揚巻は、七之助様♡に
とっては初役です。
歌舞伎の衣裳の中で最も絢爛豪華と言われているのが、揚巻の衣裳。
お芝居の冒頭、ほろ酔い気分で花道に登場した時の打掛は背中に
伊勢海老、橙、門松とお正月飾りがあり、体の前に大きく垂らした
帯には鯉の滝登りの刺繍が。
衣装だけでも約30kg、鬘が2kg、下駄が3kg。
これだけの重さのものを身につけて、あれだけ自然に艶っぽく
振る舞えるなんてね、女方の役者さんはスゴいですよ
ついつい衣装に目が行きがちだったけど、七之助様♡の表情も
ホント、綺麗だったなぁ〜
助六の悪口を言うジイさんに悪態をつく時なんて、気の強さ全開で
目力が強いのなんの。
オペラグラス越しに見てても、背中がゾゾゾ〜( ̄  ̄lll)
今月の舞台写真、一体何枚買うコトになるんだろうな
今回ばかりは思いっきり買いまくりますよ、絶対に。
だってね、その価値アリアリだから(*`・ω・)v
途中休憩なしで約2時間ぶっ通しの助六。
終盤に観客が飽きないようにとユーモアたっぷりな場面があるんだ
けど、そこに登場したのが坂東彌十郎さん。
仁左衛門さんと勘九郎さんを面白可笑しくイジりまくり、最後花道を
引き上げる時に途中立ち止まって天を仰ぎ、
「十八世〜!二人のご子息、お孫さん、一門の皆さん、みんな元気に
頑張っていますよ〜!安心して下さいね〜!!」
これにはもう、場内から大きな大きな温かい拍手がわき起こり、
しばらく鳴り止まなかったよね。
七之助様♡演じる揚巻の綺麗さに感動しまくって涙が出そうなのを
必死に堪えながら観てたんだけど、彌十郎さんのこの言葉でもう
完全に涙腺が決壊
たぶん初めてじゃないかな、歌舞伎座であんなに泣いたの。
春に海老蔵さんの助六も観たけど、あの時は助六のカッコ良さだけが
際立ってたのに対して昨日のはなんて言えばイイのかな…( ̄、 ̄=)
舞台に立っていた人たち全員が主役、ひとりひとりの優しい気持ちが
お芝居を包んでいるような、そんな風に感じたかも。
1階ロビーには勘三郎さん七回忌追善の祭壇がしつらえられていました。
手を合わせてるお客さんもいっぱいでしたよ。
歌舞伎歴はまだまだ浅い私だけど、勘三郎さんの舞台はこの目で一度
観たかったなぁ…(´・ω・`)
出来れば、お腹の底からゲラゲラ笑えるような演目で。
まぁでもね、シネマ歌舞伎で観れるから。
これからも勘三郎さんの作品をたくさん上映してくれますように。