抜糸。

朝の回診の時に、抜糸をした。怖くて見れないから目をつぶって顔を横に向けてたら、急に傷口がひきつれるように痛くなる。で、パキッ、ピキッと何か堅い物を切るような音。たぶん、針金みたいのを切ってんだろう。一段落したと思ったら、次は黒い糸をチョッキンチョッキン。切った後、シュルッ、シュルッて糸を抜いてるような感じもする。「え〜、絶対血が出てるなぁ。今日シャワー浴びてもいいのかな〜?」なんて思ってたら、「うん、傷口はとってもきれいだよ。足のむくみもないし、血液検査でも白血球増えてなかったし。明日診察して、退院日決めようね。」と主治医・増澤先生のお言葉。それも、今まで見たこともない超爽やかスマイルで!!!

「増澤先生イイなぁ〜。声はイイし、やさしいし、頭は超エリート級だし、医者ってことはそこそこお金もあるんだろうし、いいな、いいな、いいなぁ〜。別にあと1ヶ月位入院してても構わないんだけど〜。」なんて思ってたら、看護婦さんの説明をすっかり聞き逃してた。何言ってたんだろ?

しばらくしたら、病室に変な虫が飛んでるのを発見。名前分かんないけど、蚊を巨大化した足の長いやつ。基本的に私は虫、大嫌いである。家で見つけようものなら、必ずシューを片手に(シュー様ではない。ここでは殺虫剤をさす)、もう片方の手には大量のティッシュを握りしめ、奴らを処分する。たとえ我が家でなくても、この病室に虫がいることは許せない。シューがないのが今イチ不安だったけど、両手にティッシュをわんさと掴み、飛び回ってるヤツを追う。もたもた歩きながらだから当然すんなりとヤツも捕まってはくれず、かなりの悪戦苦闘を強いられた。

すると背後から「何やってんの、あなた・・・。大丈夫・・・?」と看護婦さん。凄い不思議なものを見るような目で、私を見てる。「あの虫が捕れなくて〜。」と訴えたら、「あ、何だ、虫追っかけてたんだ。」と言うやいなや、もってたカルテでバ〜ンッッ!!!あっと言う間に、ヤツを粉砕してくれた。「あのね、病室の外から見てたら、両手にティッシュ持って踊ってるように見えてさぁ、どうしちゃってんだろうって、凄く心配になっちゃったのよ〜。」と言われ、驚いた。確かにそんな姿、はたから見たら気が狂ったかって思うよね。なんか想像するとおかしくて、一人ニヤニヤがさっきから止まらな〜い・・・。

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