フランスのお話 カテゴリーのアーカイブ

ルーブル美術館ーその2。

2005/02/06 日曜日 - 16:19:50 by nimo

古代ギリシア美術・サモトラケのニケ(勝利の女神)の話。

個人的に彫刻ってもともと興味がなかったから、ルーブルで
かの有名な『ミロのビーナス』を見ても「あ〜、教科書に
いたよねぇ〜。結構小さいんだなぁ」くらいの感想しか持た
なかったんだよね。
しかも、わざわざ2本の腕は実はこんな風だったのかも〜
みたいなイラストが展示してあったりして、さらに興醒め
してた記憶がある。

けどそれとは反対に、見れば見るほど魅了させられたのが、
ドノン翼1階・大階段の中央にある『サモトラケのニケ』
だ。BC190年頃のものらしく、1863年にサモトラケ
島の聖域内の高台で発見。
その後1950年に右手も発見されたらしいけど、その手
が大きく広げられた形だったから、恐らくこの女神はこんな
ポーズをしていたのでは・・・的なことがよく本には書かれ
ているけど、私はそういうのを一切読まない。

う〜ん、何て言うのかなぁ・・・。
彫刻にしても絵画にしても、作者の意図することを知った上
で作品を見るのもひとつの鑑賞法だと思うんだけど、私は
自分で色々想像したり空想しながら見るのが好きなのね。
だから自分がその作品を見る前に、あれこれストーリーを
語られちゃうとつまんなくなるんだよね。

私が思うに、このニケは勝利の女神というくらいだから
大きな戦いの時には、必ず戦士達の前に姿を現してたんだ
ろうなぁ。姿を現すだけじゃなくて、先導してたかもしれな
いね。指揮もとってたかも。
当然、負け知らず。必ず勝利をもたらしてくれる。
で、勝った瞬間、空を仰いでたと思うな。
翼や身体の線はとても柔らかく女性的なんだけど、勇敢に
堂々と前進してる姿はそこらの男よりもずっと力強くて、
躍動感が溢れている。
身体にビッタリと衣服の布がへばりついてるから、風の強い
日か嵐の中か・・・。

両手がない、頭がない、顔が分からない。
でも1度見たら忘れられない、何度も見たくなる不思議な
力をもったこの彫刻は、実物を見ると結構大きい。
どの角度から見ても、溜息が出るほどホントに素晴らしい。
前回一人で旅行に行った時、パリにいる間は毎朝、美術館が
開くと同時に入って、ドノン翼へまっしぐら。
大階段の前から、間近から、さらに階段を上がった踊り場で
少し見下ろす感じで真正面からと、とにかく毎日何十分も
見続けてた。そのくらい、好き。

サモトラケのニケ、多くの人に見て欲しいなぁ。

ルーブル美術館ーその1。

2005/01/31 月曜日 - 20:46:10 by nimo

久しぶりにフランスのお話。

世界3大美術館の1つがパリにあるルーブル美術館。
もうここは超〜有名だから、誰でも知ってるよね。
今でこそ美術館になっているけど、もともとはフランスの
歴代の王が住んでいた宮殿で13世紀に建てられたもの。

リシュリュー翼・シュリー翼・ドノン翼っていう3つの
エリアがあって、絵画、彫刻、デッサン、美術工芸品、古代
エジプト、古代オリエント、古代ギリシア・ローマの7つの
部門に分かれた展示品が飾られている。
ルーブルが所蔵する美術品の数は約30万点だそうで・・・。
当〜然、1日では見れません。
私も回数的にはかなり足を運んでるけど、まだリシュリュー
翼には1度も行ってないしね。
全〜部見るなら1週間位はかかるんだって。

私がパリに着くとまず最初に買うのが、パリ&パリ近郊の
主要な美術館に自由に出入り出来る“共通割引入場券”。
フランス語ではcarte museeって言って、1日券・3日券・
5日券がある。私が行った時はまだ通貨がフランの頃だった
けど、3日券が確か120Fだったような気が・・・。
1フランが約20円だったから、3日間行きたいだけあち
こちの美術館行って2400円だよ。
格安だよね。さすが芸術の都・パリ。誰でも気軽に美術に
ふれる機会を与えてくれるトコが嬉しい。

ルーブルと言えば忘れちゃいけなのがガラスのピラミッド。
1989年に中国系アメリカ人アーティストによって設計さ
れたもので、地下への採光の為に建てられたそうで。
出来た当初はパリっ子の間でかなり物議をかもしたらしいけ
ど、今はもう美術館へのメインの入り口となってるから
いつ行っても団体観光客の長蛇の列・列・列。
だから私は、このピラミッドの入り口から入った事は1度も
ないんだよね。
メトロのPalais Royal Musee de Louvre駅の改札を抜けて
地下を通っていけば、直接ナポレオン・ホール(ピラミッド
の真下にあってインフォメーションやチケット売り場がある)
に着くから、凄く便利。
地下にはレストランや沢山のお店もあるから、私的には
1日中いても全然飽きないトコです。

ルーブルについてはまだまだ書きたいことあるから、続きは
また後日ってことで・・・。

凱旋門。

2004/07/22 木曜日 - 23:01:32 by nimo

パリの建築物で好きなものの一つに、凱旋門がある。
何故かというと、物凄く自分に自信をつけてくれるからだ。

凱旋門を中心にして、12本の通りが放射線状にまっすぐ
延びている。
自分が屋上に立つと、まるで自分には色んな方向に向かっ
て、色んなことをやれる可能性があるように思えて、
凄いエネルギーをもらった感じになる。
「どの道を選んでも大丈夫。絶対に失敗はしないから。」
誰かがそう言ってくれてるような気がする。

一人でフランスに行った時、帰国前日の夕方には必ず
凱旋門に行った。何年たってもエレベーターは故障中の
ままだから、らせん状の階段をヨタヨタしながら屋上まで
上って、パリのパノラマを目に焼き付ける。
で、旅行中のことを思い出し、帰りたくないを何回も心の
中で叫び倒して、気がつくといつも大号泣。
自分が本来いる場所はここ(フランス)なのに!
1番居心地のイイ場所なのに!!
なんで明日帰んなきゃいけないの!!!って、好きな場所
で思い切り苦しんでるんだから、訳分かんない。

凱旋門の建築を考えたのは、かの有名なナポレオン。
1806年に工事が始まって、30年後に完成。でも完成
前にナポレオンは没してしまい、遺骸となって凱旋門と
ご対面。生きてるうちに見たかっただろうなぁ〜。

門の真下にはたくさんの花がいつも飾られてる。
無名戦士の墓。第1次世界大戦で戦死した無名の兵士が
1人、本当に埋葬されてるんだって。
夕方になると毎日追悼の炎が灯される。

何でもそうなんだけど、テレビや写真だと本物の大きさっ
て伝わりにくい。凱旋門も、実際にみてあまりの大きさに
驚いた。でも大きいだけじゃない。ジッと見てると吸い込
まれそうなほど綺麗で見事。

1日も早く、また見たい。